2024/02/01 00:00



志望する企業については、本校就職情報誌の資料・UBDC企業説明会などの話を参考にし、企業の名前・特長・将来性など情報を十分検討し、自分の適性・適職を選んで下さい。


① 企業研究はなぜ必要か

会社選びは結婚相手を決めるようなものです。カッコのよさ(知名度イメージ)などにこだわって、後で失敗したという話は良く耳にします。ではなぜ企業研究が必要なのでしょうか。


一あなたはなぜ当社を希望したのですか?一 

これは会社訪問や面接で必ず聞かれる質問です。採用側は、なぜ数ある会社のなかから、あなたがなぜその会社を選んだのか知りたいのです。よく知らない会社について説得力のある志望動機を言えるでしょうか。
面接で一番要求されるのは熱意です。志望動機のために企業研究をするのではなく、本当に心からこの会社で働きたいと思える会社に出会うための企業研究なのです。
したがって企業を研究する場合、やみくもに企業名を追うのではなく、まず業種と職種の違いを認識する必要があります。
しかし多くの場合、これから会社に入って仕事を覚えるわけですから、初めから好きな職種を選べるとは限りません。どの業界のどの会社で働くかを決め、そこに希望する職種につける余地があるのか考えることになります。
また、自社ホームページを設けている企業が多くなっておりますので、確認しておく必要があります。


② 企業研究のポイント! 

●会社規模・企業力 
●成長性 
●安定性 
●収益力 
●人材活用力
●技術開発力
●営業力

会社規模、企業力をみるといっても、会社が公表している数字のなかからそれを分析するのは大変難しい作業です。また、将来的な安定性、発展性にいたっては、プロでも明確に予測することはできません。
たとえば、かつての花形産業といえば、鉄鋼、造船といったいわゆる重厚長大の企業でしたが、構造的な不況こそ脱したものの、今も技術面、価格面で激しい国際競争の真っ只中にあります。
学生のあこがれだった商社も、メーカー自体が商社機能を持つようになったため、リゾート産業や通事業などへの方向転換をせまられています。
また安定性の代名詞だった銀行も、バブル時代のツケの清算も終らぬうちに金融自由化、国際化といった問題をつきつけられているのです。体力強化のために、今後も、あっと驚くような合併が突如成立することもあるでしょう。
教変する時代の中で、個々の能力を高めつつ、人材活用力を持つ企業へおすすみいただくことも選択肢のひとつと言えます。

③ 労働条件について

仕事の内容、勤務地と転勤、通勤時間、就業時間、残業の有無、休日、基本給と賞与、各種手当、福利厚生、教育・研修制度、育児休暇

労働条件は、みなさんが最も気にするところです。まず給与・休日等について調べましょう。

一般的に給与は基本給と諸手当から成り立っています。基本給はいわゆる給与の柱の部分です。これに通勤手当(自宅外から通勤する場合等)家族手当(扶養家族がいる場合)、残業手当、資格手当(会社の指定する資格を取得した場合)、役職手当など、各企業が設定した基準によって支払われるのが諸手当です。以上の合計が総支給額になります。
しかし、これから健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税といったものがひかれ、額面給与の75~80%位が手取り額となります。
だからといって高すぎる初任給を表示している会社は要注意。手当を含んで表示している場合も考えられますし、初任給そのものが営業成績などに連動した歩合制である場合もあります。
バブル期には、新入社員を有利に採用したいために、初任給が軒なみ高騰しました。各社ともこの後始末のため、給与体系の見直しをせまられています。初任給の額よりも、むしろ、その後の昇給率を重視すべきかもしれません。
また、給与はすでに書いたとおり基本給+諸手当ですから、諸手当によってはそれなりの金額になります。しかしボーナス年間何カ月という表示は、基本給✕何カ月という意味で、毎月の手当ての額は一切、関係がありません。初任給の内規をきちんと確かめなくてはなりません。ボーナスは会社の利益を従業員に還元するものです。何ヶ月という表示は毎年、その会社の業績によって変化するのです。“今は悪くても”がある反面“今はよくても”という可能性もあります。
休日については、週休2日はあたり前という風潮がありますが、完全週休2日で年52週とすると 104日。これに祝日などを15日合計して年間休日数120日がゆとりの目安になります。
しかし現実には、年間120日以上の企業は1000人以上の大企業でも3割位が実情。100日以上でも全体の3分の2です。つまり、まだ相当数の企業が完全週休2日制ではないのです。
皆さんにはまだピンとこないかもしれませんが、福利厚生施設や社員教育制度など給与、休日以外の労働条件も就職してみると、意外に重要だとわかるはずです。指導部などに資料も多くあるはずですから、ここぞ、と思う企業については徹底的に調べてみてください。

④ 採用状況について

応募資格と条件、採用数とその内訳、応募方法、縁故採用の有無、採用時に重視されるポイント、会社説明会・会社訪問の方法

採用状況は毎年変わります。資料請求は必ず事前に行ない、不明な点は早めに問合わせてください。
いくらこの会社に入りたいと頑張っても、採用校が限定されていたり、縁故のみという場合はあきらめて、早めの方向転換が必要です。

⑤ 企業選択について

<ポイント> 
●どの企業を選ぶかは、自分の適性・能力を考えてから自分に適した職種・職業を選ぶのが大切です。
●企業の規模の大小は気にしないで、自分に合った職場、働きやすい企業を選ぶようにしましょう。
●企業の経営方針、社内教育制度、福利厚生面なども考慮することです。
●賃金等の目先の事ばかりでなく、企業の将来性・安定性・社風や活気なども検討すると良いでしょう。
●担任の先生、就職指導の先生の助言をよく聞き、家庭での話し合いも必要です。

◎情報・資料の分析/集めた情報や資料は主に次の項目について研究して下さい。

A. 会社所在地・自宅からの所要時間は何分位か。
B.営業所・工場所在地・本社が必ずしも勤務地とは限りません。自宅の近くに営業所・工場があるか調べること。(所要時間も忘れないように)
C. 設立
D. 資本金
E. 年商
F. 従業員数
G. 労働条件・給与・ボーナス・勤務時間・休日など。
H.福利厚生・・・寮の有無、社会保険(厚生年金保険・健康保険)労働保険(労災保険)の有無など。
I. 事業内容について調べる。(業務内容・特色・取引き先・営業品目など)またその会社の属している業界についても調べる。
J. その他、教育訓練制度、平均年齢などについても調べておくとよい。